カミングアウト

[Verse] 朝のホーム　視線が痛くて固まる歩幅 会社のドアの前で深呼吸　心だけが置いてかれた 欠勤続きで刺さる噂の刃 「大丈夫？」の声すら怖くて、返事がうまくできなかった 恋人にも言えず、笑顔の裏で泣いてた 聞かれた「元気？」が　本当は一番のナイフだった でもね… 一番怖かったのは 友達が離れる未来 を想像した瞬間だった 一緒に笑った夜も、くだらないLINEも ぜんぶ壊れそうで、胸がギュッと締めつけられた 「病気なんだ」って言ったとき “引かれる？”“距離置かれる？” それとも—— 「それでもお前はお前だろ」って そのまま仲間でいてくれる？ その境が見えないのが一番怖かった でも胸の奥でくすぶる火が 「隠れて生きるなよ」って拳で扉叩いてた 震える声でも、逃げずに立って ここで終わりにしたくないから [Pre Chorus] バレる前に　自分で話したい 逃げたくない　ちゃんと向き合いたい 理解なんて全部はいらない ただ“ちゃんと見てほしい”だけ… [Chorus] カミングアウト　怖いよ 声ふるえて　涙こぼれても言いたいよ 偏見ゼロじゃないけど 病名だけでわたしの価値　測らないで欲しいよ カミングアウト　痛いよ 離れる人もいる、それでも伝えたいよ 双極“だから”じゃなくて 双極“ごとのわたし”を 見て、知って、支えて欲しいよ [Verse] 同じ悩み抱える仲間も、今日も静かに戦ってる 「言った瞬間に壊れる友情ある？」 それを恐れながら笑ってる人もいる 腫れ物みたいな態度とか できる前から“できない”扱いとか 言葉より沈黙のほうが刺さる夜もある だけどね、弱いわけじゃなくてタフなんだよ 感情の波に乗りながら　毎日生き抜く強さ持ってる “ちょっと大変”があるだけ それだけで距離置くなら そんな関係、最初から薄かったんだろうね 本当に残ってくれる友達は 病名じゃなく わたしの全部を見てくれる人 良いときも悪いときも 一緒に笑えるなら、それで十分だろ？ 歴史を変えたのも、声を上げた誰か 黒人が初めてメジャーで輝いた日 日本人が扉こじ開けた瞬間 女性が国を動かした時 LGBTが街で堂々と手を繋いだ時 全部、“もう隠れない”と決めた勇気だろ？ なら今度は、わたしたちの番だよ。 [Bridge] 偏見はゼロにならないかもしれない でも“優しい誰か”がひとりいたら充分だよ 病気ごと抱きしめてくれる友達も きっといつか出会えるから [Final Chorus] カミングアウト　泣いたよ でもずっと抱えてた重さが少し軽くなったよ 逃げた日々も責めないで あの日のわたしがいたから今日があるんだよ カミングアウト　光れよ 同じ痛みの誰かの盾になれたらいいよ 「ここにいるよ」って言える その未来が見えるから ゆっくりでいいさ、歩き出すよ…